推し建築紹介 -フランク・ロイド・ライト編-
技術ブログにしようと思って作ったのになぜか推し建築紹介をすることに。
マトモに記事を書くのは初めてですが、良ければ見ていってください。
さて、フランク・ロイド・ライトとはアメリカの建築家です。
大正時代に来日し、設計した建築物のいくつかが日本に現存しています。
この記事では現存している中で一般公開されている建築物について紹介します。
もしご興味を惹かれて行けそうな距離なら、是非ご自身でその美しさを体感されることをお勧めします。
■旧帝国ホテル ライト館
愛知県犬山市にある博物館明治村で公開されています。名古屋駅からバス1本で行くことができます。
行って見てきてください。で終了なのですが、現実的に難しいと思うので素敵な解説ブログをご紹介させていただきます。
いかがでしょうか?
正面写真をみると、まず複雑な形をした外観に目がいくと思います。
レンガづくりで洋風なんだけど、なんだかアンコールワットとかみたいなオリエンタルな感じ。
近づいてみると、壁も柱も細かな意匠が凝らされています。
他でみたことがない、立体的で幾何学的な細工。
レンガもひとつひとつにラインが刻まれていて、さわるとデコボコしています。
中に入ると、外観を裏切らない。
同様の意匠がどこまで入ってもつづきます。
さらに、おいてある椅子や机まで同じような幾何学的な形をしている。
どこをどう歩いても、近づいても遠ざかってもその不思議な世界観を感じ取ることができてふおぉぉぉとなります。(語彙)
明治村に行くと、中が喫茶室になっているのでこの素敵な空間でお茶をすることもできます。思い出すだけでドキドキする……。
少しは行きたくなってきましたでしょうか?
そんな方のためにこちらの記事をご紹介します。
マジ高クオリティ。やばい。マジやばい。
明治村で見た玄関部分だけでも感動したけど、現存しない部分も一緒に見たときの重厚感たるや!!! 威風堂々!!!!!
さりげなく日本庭園風のお庭もあるところがにくい!
そして内部! 完全再現! ほんもん知らんけど多分そう! もう、まるで本当に中に入ったよう……!
ロビー、レストラン、客室、……細部の細部まで意匠が凝らされている……あんなに細かいのにごちゃごちゃしてなくて統一感がある……神……。
ちなみに、この動画に出てくる特徴的な形をした椅子。これを覚えておいてください。
ところで、ライト館は明治村の数ある建造物の中でもよくPRに使われているのですが、建てられたのは大正です。
明治には影も形もなかった……。
■自由学園 明日館
東京都豊島区に現存しています。最寄り駅は池袋駅および目白駅です。
行って見てきてください。で終わりなのですが現実的に難しいと思うので頑張ってご紹介させていただきます。
こちらは、大正時代に創立された女学校の校舎として建てられました。
ライトはもともと旧帝国ホテルの設計のために来日していたのですが、同時期にこちらの設計にもかかわっています。
こちらは、旧帝国ホテルよりは装飾はあっさりしているのですが、幾何学的な意匠には通ずるものがあります。
正面から見たときに左右対称になっている外観もそうですし、先ほどご紹介したCGの中に出てきた特徴的な形をした椅子、あれと同じものがここの喫茶室にもあります。
そして、この建物で一番特徴的なのは中央ホールの窓です。
天井から引かれたラインと窓のラインが幾何学模様を描き、ほぇぇぇとなります。(語彙)
ここは最近、相棒のオープニングにも使われていました。
こちらは一般公開されていますが、催し物(ここの講堂で柳家喬太郎さんの落語を見たこともあったなぁ)やウェディングにも使用されているので見学不可の日もあります。
前出のサイトで見学可能な日を確認してから行かれることをお勧めします。
また、駅からの道のりが入り組んでいるので地図もしっかりご確認ください。
■ヨドコウ迎賓館
兵庫県芦屋市に現存しています。最寄り駅は芦屋川駅および芦屋駅です。
行って見てきてください。と言いたいところですが私もまだ行ってません。行きたい……!!!(歯ぎしり)
行ってないのでこちらも別の方が書かれた記事を紹介します。
こちらも、旧帝国ホテルの設計で来日していた期間に設計されたようです。
もう写真を見るだけで同じ人が作ってる……! ってわかりますね。
細かく加工した柱、天井に引かれたライン、幾何学的な形をした家具、……まんまです。
今、和室の写真を見て思ったのですが、天井や窓などに入ったラインと、畳やふすまの縁のラインってなんだか似ていますね。なんか関係あるのかな。実際に和室を見に行きたいな。くっそぅまじ行きたいな……!!!!(歯ぎしり)
さて、ここまで調べながら書いていて改めて思ったこと。
これ現実に作り上げたのすげぇ。
写真で見ていただいてわかるとおり、床から屋根の先っぽまで細かな意匠が凝らされています。外装、内装、家具まで一貫した世界観が感じ取れます。
こんなのお金も時間もかかるに決まってる。
実際、旧帝国ホテル設計のため来日したライトですが、費用と工期オーバーで怒られて帰国するハメになっています。(確か、旧帝国ホテルも明日館も完成した姿を見ていません。多分、ヨドコウ迎賓館も)
それでもちゃんと完成して今まで現存するのはなぜか?
あとを引き継いだ人がいるからです。
ご紹介した建物すべてを弟子の遠藤新が完成させています。
すごくないですか。
私もものづくりの世界のはしっこに生息しているので、費用や工期のプレッシャーや残酷さが少しはわかります。
「そんな細かいことどうでもいい」とか「それ時間かける意味ある?」とか言われちゃうんです。
自分自身も締め切り前の残業続きに疲れて「もういいかな……」って気持ちになっちゃうんです。
それを跳ねのけて完成までこぎつけたなんて。
どれだけの信念で仕事をしていたんだろう。
費用や工期に間に合わせるのがプロ! というのもその通りなのですが、純粋なものづくりとして細部まで完成度にこだわることも捨てられないです。
話がそれましたが、こんな素敵な建物を考え出してくれたことに感謝を。
作り上げてくれたことに感謝を。
そして、それを残して人の目に触れる機会を与えてくれていることに感謝を。
以上、ここまで読んで下さりありがとうございました。
建築は実際に目で見て(許可されているところは)触って空気を体感できるのが一番の魅力だと思います。
今回ご紹介したものに関わらず、お近くに気になる場所があれば足を運ばれるのが一番楽しいです。
(地域のHPを見ると観光名所として古い建物が載っていたりします)
ぜひ皆様も素敵な建築ライフを……!